今はそんな事があった2人にはまったく見えないけど、2人の間にはとても素敵な過去があった。
2人の出逢いはお見合いだった。
昔は近所のおばちゃんがお見合い話しを持って来る事がよくあったそうだ。
お見合いはうまくいった。
しばらくお付き合いが続き、晴れて2人は結婚した。
夫は自衛官だったため、演習で長期間いない事があった。
昔は電話か手紙しか連絡を取る方法はなかったので、夫は妻に手紙を送った。
今はどこで何をしているか、周りの景色がどうかなど、近況報告が書いてあったり、生まれたばかりの息子の事を気にかける内容の手紙だった。
そして必ず最後には
『愛してるよ』
そう書かれていた。
夫の口からは聞けるような言葉ではないけど、文字にしてあるだけで十分気持ちは伝わってくる内容だったと思う。
そんな素敵な男性からのラブレターを見つけて読んでしまったのは…
書いた本人の小学生の娘の私だった。
しばらくして母から色んな事を聞いた。
どうやって出会ったか、プレゼントされたレコードの話し。
懐かしそうに教えてくれた。
今は頑固で短気で足腰が悪く、まだ60代なのにヨボヨボのじいさんみたいな父だけど…
そんな夫婦のもとへやって来た私と兄は幸せ者なんだと思った。
今の時代、メールや電話ばかりだけど、手紙は愛情がこもっているし一生残しておく事が出来る素敵なアイテムだと思う。
ラブレターで繋がっていた夫婦のもとに生まれた娘の私も、ラブレターを書くのが好きな子になりました。